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<第8号の記事内容>
 

「たくさんの声をありがとう。もっと広がれ,議論の輪!」
「新しい学校の形が見えてきました。」
「実践を通して考えるニュースクールモデル事業」
「地域社会で自立して生きる障害者に」
「子どもたちの問題行動防止にむけて」




「たくさんの声をありがとう。もっと広がれ,議論の輪!」
 今年度からスタートした義務教育改革。広く県民の声に応える学校づくりをめざして,1年にわたりアンケート調査や開かれた意見交換の場を積極的に開催してきた結果,さまざまな観点から多くの意見をいただくことができました。
 今後も皆さんの声をしっかりと聞きながら,具体的な施策内容や実施方法の検討をおこなっていきたいと考えています。

教育長ホームページ「ホットライン教育ひろしま」開設(平成10年10月〜) アクセス件数2,604件,メール等受付件数81件

義務教育に関する県民意識調査(成人/2,000人対象・回収数1,166)

義務教育改革公聴会の開催(平成10年10月〜12月県内6会場参加者約500人)

生活と学習に関するアンケート(小5・中2/4,176人対象)


義務教育改革1
「新しい学校の形が見えてきました。」
 平成14年度から完全学校週5日制が実施されます。これに対応した小・中学校の学習指導要領が示され,学校は国レベルでも変化のときを迎えつつあります。 また広島県の教育について,公聴会・アンケート調査などを通じて寄せられた意見・要望は,学校間や家庭・地域との連携,教職員の指導力など多分野にわたり,義務教育改革に対する期待の大きさを感じています。新学習指導要領や公聴会,アンケート調査の結果などから,取り組むべき課題や方向性をさぐってみましょう。
新しい学習指導要領のポイント
各学校が創意工夫し,ゆとりの中で,子どもたちが自分で課題を見つけ,学び,考える力を育成することが求められています。具体的には,次のような点が重視されています。
基礎・基本をしっかりと身につける
自然体験やボランティア体験など体験的な活動を大切にする
地域のこと,環境、福祉などについて勉強する「総合的な学習」の時間を設ける
ゆとりの中で生きる力を育てる
特色ある学校づくりを進める


これからの課題と公聴会での要望・提言
 基礎・基本を身につけ個性を生かす教育を実現したい
義務教育段階においては,基礎的・基本的な学力を確実に身につけさせてほしい。そのうえでそれぞれの興味や可能性を広げていけるような環境づくりが必要です。教育内容・指導方法の改善や児童生徒一人ひとりに目が届く体制づくりを期待します。
【主な要望・提言(一部抜粋)】
■複数の教員による学級の指導
■少人数指導の実現
■子どもと教職員がふれあう時間の確保
■空き教室を開放し,子どもたちが自由に使える空間を提供
 豊かな心をはぐくみたい
 
思いやりや感謝の心を育てるため,植物の栽培やボランティア活動,職業体験など,実践を通じて学ぶ体験活動を積極的にとりいれてほしい。また,いじめや不登校などの問題に直面している子どもに対しては,家庭・地域との連携をしながらきめ細かい対応ができる体制づくりを期待します。
【主な要望・提言(一部抜粋)】
■自然体験などをおこなう総合的な学習の時間の充実
■社会体験など体験活動の推進
■社会のルールを身につける指導の充実
■カウンセラーの全小・中学校への配置
■不登校に対応する専門の先生の増員
 地域に開かれた学校にしたい
 
学校と家庭・地域の連携を強めていくためには,まず,学校の様子を知ることが大切です。また,地域の人材の積極的な活用をはかるとともに,誰でも気軽に足を運んでもらえる,そんな風通しのいい学校を期待します。


【主な要望・提言(一部抜粋)】
■保護者・地域の人だれもが参観できる学校
■クラブ・部活動での地域の人材の活用
■PTAの職員会議への参加
■企業・施設等での教員研修の実施


県民1166人に聞きました
広島県の義務教育,ここが不満,ここに期待
平成10年8月,満20歳以上の県民を対象に「義務教育に関する県民意識調査」をおこないました。義務教育に「関心を持っている」人が75.5%と非常に高い反面,小・中学校の現状に対しては「満足している」「どちらかといえば満足している」と答えた人は小学校22.2%,中学校12.9%にとどまっています。改善を求める点としては「心の教育」や「教職員と子どもとの信頼関係」「教職員の指導力」などを求める声があがりました。
 非常にある 
どちらかといえばある
どちらかといえばない
全 く な い
どちらでもない
 無   答 
義務教育への関心度
30.0
45.5
11.7
 1.7
 9.9
1.1
小学校への満足度
 2.1
20.1
37.0
14.2
25.7
1.0
中学校への満足度
 1.5
11.4
36.3
24.2
23.0
3.6

子どもに身につけさせたいこと
小学校
中学校
他人と協調し,他人を思いやる心
56.3
50.6
生命や人権を尊重する心や態度
48.6
52.8
自ら考え主体的に判断する力
29.8
42.0
自ら学ぼうとする意欲
28.0
27.4



小・中学生4176人に聞きました
学校に行くのは楽しいけれど…。
子どもたちの実態を客観的に把握するため,県内公立学校の小学5年生と中学2年生約4000名を対象に「生活と学習に関するアンケート」をおこないました。多くの子どもたちが「学校が楽しい」と感じる一方で,中学2年生では約半数が「授業がよくわからない」と答えています。また半数以上の子どもが「毎日忙しい」と感じており,約25%が「相談できる人がいない」と答えるなど,子どもたちを取りまく厳しい状況が明らかになりました。
Q学校へ行くのは楽しい?
 とても楽しい 
どちらかといえば楽しい
どちらかといえば楽しくない
 楽しくない 
 無   答 
小学校
28.5
46.6
17.9
 6.6
0.4
中学校
20.7
44.7
23.5
10.5
0.7

Q学校の授業はよくわかる?
 よくわかる 
どちらかといえばよくわかる
どちらかといえばよくわからない
よくわからない
 無   答 
小学校
24.0
54.3
18.1
 3.4
0.3
中学校
 6.0
42.9
38.6
11.8
0.7

Q相談できる人がいる?
 い   る 
どちらかといえばいる
どちらかといえばいない
 い な い 
 無   答 
小学校
45.6
29.7
14.4
9.5
0.8
中学校
37.8
34.0
17.7
9.8
0.6

Q近所の人からよく声をかけてもらう?
とてもそう思う
どちらかといえばそう思う
どちらかといえばそう思わない
まったくそう思わない
 無   答 
小学校
47.7
33.6
13.3
 4.8
0.6
中学校
31.5
35.7
21.1
11.0
0.8




義務教育改革2
「実践を通して考えるニュースクールモデル事業」
義務教育改革が着実に成果を上げるためには明確な方向づけとともに,どう実践していくかという方法論の確立が不可欠です。そこで県内の公立小学校・中学校各6校を実践研究協力校として指定し,研究をおこなっていくことにしました。指定校では学校規模等の特色を生かした研究テーマを決め,平成11年度から本格的な取組みをスタートさせます。なおその研究成果は平成12年度中にとりまとめ,発表する予定です。

ニュースクールモデル事業指定校名
小学校
廿日市市立宮園小学校,呉市立昭和中央小学校,高宮町立川根小学校,世羅町立津久志小学校,福山市立南小学校,東城町立粟田小学校

中学校
能美町立能美中学校,東広島市立志和中学校,芸北町立芸北中学校,豊町立豊中学校,福山市立鷹取中学校,口和町立口和中学校

主な研究テーマ
1.基礎・基本の定着をめざした効果的な指導内容・指導方法の研究
2.地域に開かれた学校づくりの研究
3.情報,環境,福祉等の総合的・横断的な学習についての研究


障害児教育A
「地域社会で自立して生きる障害者に」



県教育委員会では,昨年11月「盲学校,ろう学校及び養護学校における教育のあり方」を策定しました。盲・ろう・養護学校は,幼稚園,小学校,中学校,高等学校と同列の学校であり,障害をもつ仲間が共に学びながら,障害者としての主体を確立し,障害者として自信と誇りをもって生きていく力を身につけるための専門的な教育をおこなう学校です。自立とは,できないことをできるようにして健常者により近づくことではなく,必要に応じて援助を受けながら,主体的に豊かな生活を送れることではないでしょうか。一人ひとりのニーズに対応しながら,多様な「自立」のあり方を展望し,本人や保護者が「盲・ろう・養護学校で学んでよかった」と思えるような学校をめざして,卒業後の進路や教育相談の充実,通学対策の充実等を視野に入れた環境整備を図っていきます。


「子どもたちの問題行動防止にむけて」
  「問題行動に関する防止学習プログラム」「生徒指導ハンドブック」を公立学校に配布
最近の子どもたちの問題行動は,凶悪・粗暴化,低年齢化の傾向がみられます。県内でもナイフを使用した傷害事件や金銭強要,暴力行為が発生するなど,深刻な状況が続いています。こうした現状に歯止めをかけ,子どもたちが自己実現を図りながら自律した生活を送れるようにするために,県教育委員会では次のような点を特に重視し,取り組んでいます。
●人間としてのあり方・生き方に対する自覚を深めさせるとともに,心の教育を充実させ,子どもたちが自己実現を図ることができる教育の推進
●基本的な倫理観・規範意識を育てる教育の推進
●問題行動を未然に防ぐ教育の推進
●問題行動に迅速に対応し,再発防止にむけた指導体制の確立
そのための取組みのひとつとして,問題行動の発生や再発を防止するための具体的な考え方や方法を示した指導資料として「問題行動に関する防止学習プログラム」と「生徒指導ハンドブック」を作成し,学校に配布しました。今後,この資料をもとに研修を行い,安全で安心して生活ができる学校づくり,家庭・地域・関係機関との連携による開かれた学校づくりをすすめていきます。

「問題行動に関する防止学習プログラム」の主な内容
  1.  学校における教科指導と生徒指導のあり方と見直しの視点
  2.  家庭・地域社会の学校教育への積極的参加により,三者が一体となって子どもたちを育てていくための考え方や方法
  3.  子どもたち自身がストレスを自覚し,それをコントロールできる力を育成するための学習方法
  4.  体験活動や役割演技などを通して人間関係を調整できる力を育成する学習方法
  5.  模擬討議や話し合いを通じて社会のルールや模範について考え,規範意識を高めていく学習方法

「生徒指導ハンドブック」の主な内容
  1.  すべての子どもたちが安心して学校生活を送れるよう,学校での生徒指導体制や,教育相談体制の確立
  2.  子どもたちの問題行動に対する指導の考え方や進め方
  3.  問題行動を学校だけで抱え込まず,家庭・地域・関係機関と連携・協力し開かれた連携によって解決を図っていくための方法




シリーズ同和教育8
同和問題と私たちのかかわり
 私たちは,地域社会や職場の中で,お互いが人権を尊重しあい,認めあいながら,暮らしたり仕事をしたいと思っています。また,子どもたちにも,いじめや差別のない学校でのびのびと自分を表現し,その力を最大限に伸ばしていってほしいと願っています。
 しかし,1993(平成5)年度の同和地区実態把握等調査によれば,「あなたは,今までに同和地区の人であるということで人権を侵害されたことがありますか。」という問いに対して,46.8%の人が「ある」と答えています。この調査結果は,同和地区の人に対する差別意識が今もなお根強く残っていることを示しています。
 現在,私たちのまわりには,このような部落差別をはじめとするさまざまな差別が存在している現実があります。では,これらの差別をなくし,すべての人が人間として尊ばれる民主的で明るい社会をつくるために,私たちはどうすればいいのでしょうか。
 「自分は差別していないから無関係だ」という声を聞くことがあります。しかし,これまで差別の存在が,私たちのいろいろな権利の確立や真の民主的な生活の実現をはばんできたことを振り返ってみるとき,「関係ない」ですませてしまう態度が自分自身の基本的人権が尊重されないことにつながっていくことは明らかです。
 同和問題をはじめあらゆる差別の問題を解決するためには,私たち一人ひとりが身のまわりにある不合理や矛盾を明らかにし,それをなくしていこうとする意志と行動力をもち,差別の問題を自分自身の生き方の問題として考えていくことが大切です。学校・家庭・地域・行政が一体となって,同和問題の早期解決をめざす取り組みをすすめていきましょう。
 私たち自身のために,そして,すべての子どもたちのために。