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<第7号の記事内容>

一緒につくりましょう 風通しのよい学校
信頼される公教育の確立を  広島県教育委員会教育長 辰野裕一
学校に新しい風
文部省是正指導経過報告
子どもたちの問題行動を防止するために
シリーズ同和教育7「地域社会における同和教育のねらい」


「一緒につくりましょう 風通しのよい学校」

 高校教育改革に続いて義務教育改革がスタートをきり,今,学校が大きく変わろうとしています。保護者や県民の願いをいつでも,そしてしっかりと受け止められる学校でありたい。だから学校の現状や改革へのプロセスを含めて,広く皆さんに知っていただいた上で,学校と家庭・地域・関係機関がみんなで知恵を出しあい,しっかりと議論しながら,これからの学校づくりを考えていきたいと思っています。オープンで自由な空気の中,子どもたち一人ひとりがのびのびと学ぶことができる,そんな学校づくりをめざします。



「信頼される公教育の確立を」  広島県教育委員会教育長 辰野裕一

 今,本県の教育は,教育内容や学校管理について文部省から是正指導を受け,また,いじめや不登校の増加,県立高校生が金銭強要や暴力行為を受けた後に自殺するなど,教育の根幹に関わる課題が山積しております。これらの課題解決に向けて不退転の決意で取り組みを進めています。
 また,教育改革については国レベルでも改革が進んでいますが,本県では,この動きを踏まえながら,高校教育改革,義務教育改革に取り組んでいます。
 ポイントは「信頼される公教育の確立」に尽きます。教育は法令に則ったもので,かつ保護者・子どもたち・県民の願いや期待に応えるものでなくてはなりません。
 具体的には,教育委員会や学校で抱えこまず県民にオープンにして進めます。そして,学校・家庭・地域社会が協力して,子どもたちが安心してのびのびと学ぶことができる環境を作るため,教育委員会も学校も最大限の努力をします。
 保護者の皆さんのご理解とご協力をお願いします。




「学校に新しい風」
 義務教育改革推進協議会の一次・二次報告がまとまりました。

 義務教育改革の基本的な目標や実現に向けての具体的な方策について,四月から検討を重ねてきた義務教育改革推進協議会の一次報告及び二次報告が発表されました。一次報告は,心の教育の充実や個性を尊重し,保護者をはじめ地域の人々に信頼される学校づくり等を柱とし,今後広島県として重点的に取り組むべき3つの方向性を示したものとなっています。二次報告は,一次報告に基づき,早期に取り組むべき具体的な方策を示しています。

基礎・基本の定着と個性重視の教育の推進

子どもたち一人ひとりがゆとりをもって学び,基礎的・基本的な内容を確実に身につけたうえで,その可能性を存分に伸ばしていってほしい。そんな個性に応じた教育活動を展開していくため,教育内容や指導方法の改善,子どものよさや可能性を生かせる評価の工夫,教職員の指導力の向上等に努める必要があります。

豊かな心をはぐくむ教育の推進

いじめや問題行動など,子どもたちの心の問題に適切に対処していけるよう,家庭や地域との連携強化をはかります。また学校内部においても,体験学習の積極的な推進,道徳教育の見直し・充実など,思いやりや感謝の心を育てる心の教育に力を注いでいく必要があります。

開かれた学校づくりの推進

児童生徒が安心して登校できる学校をめざしていくため,学校から地域・保護者の皆さんに対して積極的な情報提供を心がけると同時に,皆さんからの声を学校運営に反映できるようなシステムづくりが必要です。また,地域の人材を講師として招いたり,学校の施設を住民に開放するなど活発な交流を促進し,地域等に開かれたオープンな学校づくりをめざす必要があります。




文部省是正指導経過報告

 今年5月20日、広島県の学校教育について、文部省から学習指導要領等に照らして逸脱のおそれがある問題および学校の管理運営にかかわる問題について是正するよう指導を受けました。
 広島県教育委員会としては、これらの指摘を受けて、現在、学習指導要領や関係法規に照らし、是正・改善を行っているところです。
 信頼される公教育の確立をめざして、今後とも是正・改善の取組みを進めるとともに、児童生徒一人ひとりの興味・関心・適性等に適切に対応した個性を生かす教育を充実してまいります。
 また、人間尊重の精神を基盤として、心豊かな人間の育成を図りながら、学校教育に対する保護者や県民の皆さんの期待や願いを受けとめて、本県教育の一層の充実に努めるよう取組んでまいります。

是正指導の内容
卒業式・入学式での国旗掲揚や国歌斉唱の指導をしていない学校があったこと。
週1時間の道徳の時間が設けられていなかったり,別の名称に変わっていたりした小・中学校があったこと。
50分を基準とする授業時間が45分に短縮されていたり,年間総授業時数が確保されていなかったりした中学校があったこと。
一部未記入など指導要録の記入が適正になされていない小・中学校があったこと。
主任の任命の時期の遅れや,職員会議の運営など,学校の運営管理にかかわること。



子どもたちの問題行動を防止するために

  ■子どもたちを取り巻く状況は

子どもたちの問題行動は平成7年を境に増加に転じており,戦後第四のピークを迎えたといわれています。県内でもナイフによる殺傷事件,金銭強要や暴力行為などが発生し,かけがえのない生徒の命が失われるなど,極めて深刻な状況になっています。
県教育委員会では,7月に発生した県立高校生の自殺を受けて,県教育委員会,県警察本部および県民生活部の関係課で構成する「児童生徒の問題行動に係る対策本部」を設置し,問題行動の防止と,学校による問題の「抱え込み」から関係者が共同で取組む「開かれた」連携への転換を図っています。
子どもたちの問題行動を防止するため,私たち大人は子どもの変化に敏感に対応し,学校・家庭・地域が一体となって取組んでいきましょう。

 ■子どもの変化に気づいていますか。

1.子どもが体調不良を訴えていませんか。
最近,無気力,疲労感,頭痛,体温調節機能の低下による吐き気などの症状を訴える子どもが増えています。これらは生活リズムの乱れや,過度のストレス・不安・緊張等が原因ではないかと考えられています。保護者は子どもとともに生活のリズムを整え,家庭を子どもの落ち着ける場所にすることが大切です。

2.子どもが一人で部屋で遊ぶことが多くなっていませんか。
広場や野原の減少,テレビゲーム等の出現で,子どもたちの遊びの形も大きく変わってきました。小さい頃から集団で遊ぶことの少ない子どもは,様々な葛藤の経験を通して自分を抑制したり,感情をコントロールする力が十分に育たないといわれています。年令の違う子どもとの関わりのなかで自分を表現することや,野外での遊びの楽しさを子どもに伝えていきましょう。

3.子どものお金の使い方が荒くなっていませんか。
金銭強要など深刻な問題の発生を未然に防ぐには,周囲の大人が子どもの発するサインをキャッチし,きちんと対応していくことが大切です。子どもの持ち物や金銭の使い方など,小さな変化にも注意を払い,声をかけてあげてください。そして日頃から子どもが悩みを相談できるような家族のつながりをつくっていきましょう。

4.子どもといっしょにいろいろな体験をしていますか。
約束を守れない,人を思いやることができない子どもが増え,欲しいものを我慢したり,欠点も含めて自分が好きという子どもが減っています。これは多くの人と一緒に協力しあって生活する力が衰退したためだといわれています。子どもといっしょに家事や工作をするなどの体験を増やしたり,ボランティア活動や自然体験などに家族で参加し,多くの人と交流をもつ機会を積極的につくったりしましょう。

相談は,次のダイヤルに
子どもたちを取り巻く状況は急激に変化しています。ちょっとした気がかりでも,一人で悩まず,気軽にお電話ください。
○いじめダイアル24                TEL0824(20)1313 毎日 24時間 

○心のふれあい相談室(県立教育センター)  TEL0824(28)7110 月〜金 9:00〜16:00 

○こころの相談室(福山教育事務所内)    TEL0849(25)3040 火・水 10:00〜17:00 

○こころの相談室(三次教育事務所内)    TEL0824(63)3141 月・水 10:00〜16:30 





シリーズ同和教育7

「地域社会における同和教育のねらい」

同和問題の解決をめざして,学校はもちろん地域社会においても,広く人権意識を高め,部落差別の解消を図っていくさまざまな取組みがすすめられています。しかし現実には,今なお差別事象があとを絶ちません。こうした状況を一日も早くなくするためには,学校・家庭・地域とが一体となって,地域ぐるみでの同和教育を推進することが大切です。今回の”シリーズ同和教育”では「民主的で差別のない明るく住みよいまちづくり」をめざして,「地域社会における同和教育」について考えていきたいと思います。

 1993(平成5)年度の「同和地区実態把握等調査(広島県分)」によれば,「同和問題の解決に対する態度」について,45.2%の人が「自分も解決に向け努力すべき」であると回答していますが,一方では,53.5%の人が「自分とは関係ない」「成り行きにまかせる」「誰かしかるべき人が解決してくれると思う」あるいは「よく考えていない」と答えており,いまだに同和問題は「自分とは関係ない」とする意識が根強く残っています。
 しかし,現実には,同和問題は私たちの生活と深く関わっている問題であり,その解決を「自分の課題」としてとらえ,行動することが大切です。現在,各地域で実施している同和問題の解決をめざした啓発活動は,すべての住民の人権意識を高め,生活を向上させる取り組みなのです。同和問題に対する正しい理解と認識を深め,同和地区に対する偏見や差別をなくすとともに,身の周りにある差別的な意識やそれを助長する不合理な因習等を改める取り組みをすすめ,誰もが安心して生活できるまちづくりを推進していくことが大切です。
 このように,地域社会における同和教育のねらいは「民主的で差別のない明るく住みよいまちづくり」にあるのです。